SynologyのNAS DS720+をRoonサーバーにしました。24時間起動したままで運用できるので超快適です。
Roon ServerとしてSynology DS720+を導入
TidalやQobuzを始めた当初は、UPnPでLuminアプリが使いたくて、Synology DS116で運用していました。
Roonを使うために、同じSynologyのDS720+にアップグレードしました。
DS720+を選んだポイント
現在は後継モデルとしてDS723+が販売されています。
DS116はトラブルもなく動いていましたが、HDDが1つしか入らない仕様であり、現在入れている8TBのHDDの容量が足りなくなったことで、2ベイタイプに交換を検討しました。
リッピングやタグ編集を行っているPCをアップグレードした際に、お試しでRoonを導入しました。
従来のUPnP再生と比べてRoonの音は遜色ないレベルであり、利便性は最高なので、別の方法でRoonを再生したいと考えました。
Roonが作った専用PC、Nucleusも聴く機会があったのですが、Intel NUCより良いと思いますが、なんかピンと来ません。
CPUパワーの弱いDELAやFidataはもっと興味が湧きません。
置き場所の問題もあり、NASとRoonCoreを両方置くのも面倒だなとか、UPnPを切り捨てるのも違うかなとか考えているうちに、最近のSynologyだとRoonCoreとしても動くことを知り、楽な方に流れてしまいました…。
参考: Roon Server on Synology Diskstations
Synology NAS 比較表
私が使用しているのはDS720+ですが、後継のDS723+も性能は大きく変わっていないようです。
DS720+の後継であるDS723+はCPUパワーが上がった代わりに、内蔵グラフィックスが無くなりました。
Roonの場合、GPUパワーがあった方が良いとされていますので、今のところ、DS723+に買い替えるつもりはありません。
下位モデルのDS224+でもRoonCoreとして動くはずです。
メモリの増設は可能ですが、DS224+はSSDキャッシュ用のNVMe SSDが増設できません。
DS224+の方が有利なところは、電源アダプターが一般的な規格なので、アップグレードしやすいところでしょうか。DS723+は4Pin端子なので、選択肢が限られます。マシンパワーはDS723+の方が上です。
サイズが少し小さいこと、SSDキャッシュが追加できることが決め手となりました。
メモリは標準で2GB積んでいます。
分解してみましたが、この2GBは取り外しできません。
追加メモリは同社の指定されている4GBを使えということになっていますが、無視して8GBを積んでいます。
純正メモリがDDR4-2666だったので同じタイプを選びました。特にこだわりは無いです。
2枚装着できます。
1枚だと読み込みキャッシュのみ、2枚使うと読み込みのみ、読み込み&書込みキャッシュの設定ができます。
まだこの辺は把握していませんが、とりあえず500GBx2で読み書きキャッシュの設定としています。
特に何も考えず手頃なものを選びました。
ストレージをSSDにしている場合は恩恵があるのか正直わかりません。
あとはメモリとかノイズ対策にTDKのフレキシールド
PC系のノイズ対策にはよく効きます。導通ありのタイプもあるので注意してください。
参考: ノイズ抑制シート “フレキシールド” IFLシリーズ
筐体およびHDDの振動対策として、オトナシート、セルダンパー、レアルシルトを適材適所にて使用。
Roonは動くのか?
音源の読み込みは思ったよりも早く実用上ストレスはありません。
ただ、最初の音源解析には3日位掛かっていました。
その後は差分だけなので追加音源に対してはスムーズですし、固まったりするようなこともなく挙動も安定しています。
24時間起動したままでPCを立ち上げる必要もなく、とても快適です。
Roonの使い方については別ページにて。
SynologyをRoonサーバーにするメリット まとめ
メリットは大きく分けて3つ。
- 必要な機能のみインストールできる
Roon専用PCにしてしまうと、UPnP再生を切り捨てることになります。
RoonとUPnP再生両方に対応しているLinnやLumin、Esotericの製品などでは用途に応じて使い分けることもできます。
MinimServerは快適ですし、オーディオ用NASのDELAやFidataと根本的にCPUパワーが違うので音源の読み込み速度はそれらと比べてかなり早いです。
- ネットワークトラフィックの低減
NASをRoon用のストレージとしてのみ使用する場合と比較し、Roonサーバーがすべての音楽ファイルにローカルでアクセスできるため、余計なネットワーク帯域幅を節約することが可能。
- 読み書きキャッシュが利用できる
NVMe SSDを2基積むのが前提ですが、いつもアクセスする音源については、キャッシュの恩恵が受けられます。
特にストレージがHDDの場合はアクセスする頻度が大幅に減るので速度面でも有利です。
よりビジネス寄りになったDS720+の完成系
〇DS720+(Celeron J4125)との違い
・AMD Ryzen Embedded R1600
TDP12-25W、2コア/4スレッド、2.6-3.2GHz、DDR4 2400MT/s(64bit/デュアルチャンネル/ECCサポート)、PCIe3.0 8レーン、2x10/2.5/1GLANサポート(搭載LANは1G×2)、グラフィックノンサポート(GPU支援機能なし)
・4コア/4スレッド2.0-2.7GHz→2コア/4スレッド2.6-3.2GHz
・TDP10W→12-25W
・PCIe2.0 6レーン→PCIe3.0 8レーン(2xPCIe3.0x4が可能に)
・H.264/MPEG-4 AVC ハードウェアエンコード/デコード(Intel Quick Sync Video)→なし
・メモリ6GB(オンボード2GB+スロット×1)
→32GBデュアルチャンネルECCサポート(スロット×2※2GBの純正メモリインクルード)
・モバイルCPU→エンベデッドCPU(長期供給保証品2019-2029)
〇主な違い
・高効率コア型(省電力モバイルCPU)→高性能コア型(一般的なCPU)
低負荷で安定し高負荷になる程効率が落ちる(継続処理が得意)→電力をかければかける程効率が上がる(瞬間処理が得意)っていう違いです。これによる最大の違いは消費電力と熱量ですね。特に待機時の電力と熱量が公称値でも1.5倍近くになっており、負荷が少ない場合は単なる電力の無駄遣いになりかねません。ただ、熱量に関しては「公称値程上がっていない(HDDに影響がない)」という感想です。当然負荷をかけまくれば前モデルを超えますが、それは当たり前の話なので。
・GPU支援機能が無くなった
R1600はグラフィックノンサポート型番です。これによりサーバー側ハードウェアトランスコードは使えませんが、R1600は高性能コア型なのでJ4125よりAV処理(ハイビットレートファイルの取り扱い)は全然良好です。寧ろ支援機能が欲しい場合は、DS223がRealtek1619Bというセットトップボックス向けのAV統合SoCなのでそちらを推称します。プラスシリーズはあくまでも「NAS」なのです。
・ECCサポート
最大の変化はこれです。モバイルCPUにECCサポートモデルは無いですからね。。。大変ありがたい。ECCサポートは非常に重要な選択肢であり、より「サーバー」としての信頼性が純粋に上がりました。エンベデッドを採用した甲斐があるってもんです。
・10GbEサポート(オプション3万)
たけぇよ(笑)ただ、これをオプションにしてくれたSynologyのコスパセンスは流石です。まだまだ1~2.5GbE止まりのNW環境が大半だと思うので、標準搭載は寧ろ選択肢を狭める結果にしかならないです。付加価値の押し売り(筆頭:ゲーミング市場w)はしない姿勢が好感持てます。
・PCIe3.0 8レーンサポート
NVMe SSD 2xPCIe3.0x4が可能になりました。旧モデルはPCIe2.0x6だったので倍近くの性能があるって事です。ハッキリ言ってCPUやメモリなんぞよりも遥かに恩恵がでかく、「SSDキャッシュがあれば大体の問題は全部解決する」ぐらいの代物です。10GbE(PCIe3.0x4~PCIe2.0x8)が搭載できるようになったのもこれのお陰です。ちなみに、SSDキャッシュ2枚と10GbEを同時搭載するとレーンが足りなくなる(レーン共有)になるのですが、理論上64Gbpsの帯域幅があれば十分なのであまり気にしなくて大丈夫です。ベンチの結果も影響が無い事を示しています。
・メモリ6GB→32GBデュアルチャンネルサポート
これの恩恵はあまりないです(笑)搭載できるメモリ性能に大差が無いのと、メモリの「容量」自体はそこまで要求しないので無理に増設する必要性もありません。大容量DB、Dockerコンテナ、VMクラスタリングぐらいでしょうか。。。だからどこのエンタープライズだ。。。
〇総評
全体としてより「ビジネス向け」になったなと。殆どのUP機能がサーバーライクであり、「NAS」機能を本格的に追求したモデルとなってます。正直個人で使いこなすのはコスパ的により人を選ぶ感があります。多分ですが、R1600のリリースは19年2QでありDS720+の頃から選定には入っていたのではないかと。要するにですね、DS723+はDS720+の真の姿です(笑)実際DS720+はちぐはぐな部分が多くスモールビジネス向け???だったのですが、これが本来の姿だよねぇと。有体に言うと個人がイメージする「高性能NAS」とはややニュアンスが異なるかと思います。変な話「ちゃんとした(ゴリゴリの)NAS」です。ただこの価格対性能比は間違いなく良好であり、いぶし銀の機器選定センスがマニア心をくすぐったので星5ですね
価格コムより引用
- 高性能CPU:AMD Ryzenデュアルコアプロセッサーを搭載し、Roonサーバーの処理に十分な性能を発揮
- 大容量RAM対応:最大32GBのRAMをサポートし、大規模な音楽ライブラリの管理に適している
- 10GbEアップグレードオプション:高速ネットワーク接続が可能で、複数のゾーンでの同時再生に対応
- M.2 NVMe SSDストレージプール対応:Roonデータベースの高速化が可能
- DSM 7.1サポート:安定性と機能性に優れたオペレーティングシステムを利用可能
- 基本メモリ容量:デフォルトの2GBはRoonサーバーには不十分で、アップグレードが必要
- GPUなし:ビデオ変換などの処理には不向き
SynologyをRoon Serverとして使う まとめ
- Synology NASはRoon Serverとして十分に使用可能
- 24時間稼働、快適な音楽ストリーミング環境を実現
- Roon Serverとして機能し、UPnPにも対応
- DS720+とDS723+の比較:CPU、メモリ、拡張性の違い
- DS720+からDS723+への進化:
CPUパワー向上、GPU機能削除
DS723+は10GbEネットワーク対応(オプション)で高速データ転送が可能
メモリ増設(最大32GB)とNVMe SSDキャッシュ対応で性能向上 - Synology NASをRoon Serverと使用するメリット:機能選択性、ネットワークトラフィック低減、キャッシュ利用
- 5000枚以上のアルバム管理に対応、ハイレゾ音源も快適に処理
- SynologyのDSM 7.1オペレーティングシステムによる安定性と機能性
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