[Dot Matrix Recordings DM-5608] オトゥール・ド・ルシー (Autour De Lucie) - L'Echappee Belle 

1994年にリリースされた1stアルバムが、四半世紀以上の時を経て、アナログレコードとして再発されました。

90年代フレンチ・ポップシーンに確かな足跡を刻んだオトゥール・ド・ルシー (Autour De Lucie)のデビュー作「L'Echappee Belle」。ネオアコ・ファンにもおすすめの作品です。

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Autour De Lucie – L'Echappee Belle 

Dot Matrix Recordings – DM-5608

DM-5608

私とこのアルバムの出会いは、90年代の終わりに刊行されたムック本「ギター・ポップ・ジャンボリー」です。そこに掲載された100選はすべて入手しましたが、なかでも本作は、1曲目のイントロから心を奪われた特別な一枚でした。

1993年、ヴァレリー・ルリオ (Valérie Leulliot) を中心にパリで結成された彼ら。

単なるフレンチ・ポップの枠には収まりきらない、独特の奥行きを持っています。ヴァレリーの繊細なフランス語のウィスパー・ヴォイスと、アコースティック・ギターが織りなすサウンド。そこに漂うのは、80年代のザ・スミス (The Smiths) にも通じるような、メランコリックで知的な空気感です。

彼らは華美な装飾を排し、ギターとピアノを主体とした伝統的な曲作りに立ち返りながらも、モダンで洗練されたサウンドを構築しました。その音楽性は「リーニュ・クレール(明快な線)のポップ」とも評され、フランス国内外で高い評価を獲得します。

アルバム冒頭を飾る「L'accord parfait」の、あの忘れがたいギターのイントロを聴けば、彼らが目指した音楽の方向性が明確に理解できるはずです。本作は、バンドの原点であると同時に、その後のキャリアの礎を築いた記念碑的な作品です。

2ndアルバム以降、彼らはエレクトロニックな要素を強めていき、私自身の興味は少し離れてしまいましたが、このデビュー作の輝きが色褪せることはありません。

このアナログ盤は、名匠ケヴィン・グレイ (Kevin Gray)によるカッティングが施されています。元のCDもそうですが、音質で語る作品ではないので、特にレコードの音についても言及は控えます。

本作は、フレンチ・ポップの入門編としてだけでなく、英国のインディー・ポップやネオアコを愛するリスナーの心にも響くであろう、普遍性を持つ一枚です。

甘美でありながら、どこか物憂げな陰影を帯びたサウンドは、忙しい日常から少しだけ「美しい逃避」をさせてくれるような世界観を体感させてくれます。

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